2/9薔薇たなご釣り選手権大会レポート

 

  第3回を迎えるこの大会。参加者もうなぎ登りで予定のキャパシティーを上回り、残念ながら参加をお断りする場面もあったが悪天候が予想された為に直前でのキャンセルが相次ぎいつも通りの36名と相成った。そんな参加者を襲う冷え込みと強風。幸い競技場所は風が当たりにくいが風の当たる場所では楽に釣りをするのは難しい状況。しかしこの前日の試釣は実に面白い様に釣れていたとの事。寒暖の差に魚の動きも鈍い様子で当日の試釣はぽつぽつと言った所。この状況に各選手がどう対応して行くのか非常に興味のあるところである。


 なんと今回は強風により今後の状況が読めない為、開会式もせずいきなり第一回戦の予選がスタート。皆自分の釣り座に向かっていく。流石に3回目ともなると選手の練度があがり進行に無駄がない。各選手準備を素早く済ませて試釣。スタートの号令を待つ。スタート準備の声が響くと各々が仕掛けを水から上げて構える。暫しの沈黙の後、スタートの号令が響く。思い思いの戦略を乗せ仕掛けが宙を舞い水面に吸い込まれた。ところが各選手思惑が外れたのか直ぐに竿を上げる選手がいない。やはり魚がこの天候の急変についてきていないのが見て取れる。このタフコンデションの中、誰が抜けてくるのだろうか?動きのあったのは落合選手。パターンを掴んだのかぽつぽつ釣れ始めた。強豪増田選手もやはり同様に釣り始める。そこに割って入ったのは横浜の雄、渡辺選手。3/3プレ大会入賞の腕前は伊達じゃない。今回はk針という秘密兵器も入手し万全を期して臨んでいる。そしてその流れのまま終了。殆どの選手が0~2匹の釣果で終わってしまった。1位落合選手、2位増田選手、3位渡辺選手の三名が見事タフコンデションを制した。

 続いて2回戦目開始。気温が上がり始めた事と陽の高さが変わり、微生物の動きが良くなったのか魚が漸く口を使うようになった。今回は竿を上げる選手が多い様に感じる。しかし群を抜いての釣果をたたき出している選手が居らず誰が抜けるのかわからない。各選手団子状態のデットヒート。そしてこの組は女性陣も男性に負けじと釣果を重ねる伯仲の試合内容。下手をすると予選通過者2名が女性になるかもという勢いだったが初代女王川嶋選手がペースダウンし、残念ながら決勝進出ならず。終わってみれば結果はやはり団子状態に。その混戦を制したのは1位近藤選手、女性ながら見事2位には加藤選手、同2位には江戸タナゴ会の実力者小川選手がやはり出てきた。この中、僅差で敗れたのは堀江、大場選手。1匹差に泣く結果になってしまった。

 そして最後の三回戦。風が少し強まり更にコンデションが悪くなったかと思われたが蓋を開けてみれば新井選手と木下選手の両名の鍔迫り合い。ガチンコの対決である。他の選手はやはり団子状態だがこの両名の勢いは止まらず3位にダブルスコアの差をつけ決勝進出を決めた。そしてこの殴り合いを制したのは1位新井選手、悔しい一匹差で2位木下選手、3位は前回女王池田選手が勝ち名乗り。

 この後は女性陣5名による華やかなレディース大会が始まった。ここでも予選通過の勢い止まらず池田選手が2位に大差をつけ見事連覇を成し遂げた。 2位にはこちらも予選通過を決めた加藤選手。両名とも勢いが止まらない。決勝でもこの勢いで男性陣を蹴散らすのだろうか? 


  残る予選は敗者復活戦。勝ち抜け2名が決勝に進める。また今回は数が釣れていない事と天候を考慮し、イレギュラーながら早掛けに予定を変更。 いつもとは違うレギュレーションに困惑は否めない選手たちだがいよいよスタート。すると心配は杞憂に終わり、早々に堀江選手、大場選手が決めてしまった。 両名とも2回戦で1匹差に泣いてしまったので流石に帳尻を合わせてきた。然し5位まで賞品が出る競技。最後まで各選手は頑張り、小野、梅内、中元選手が見事賞品を手にした。 

 以上を持って予選が終了。決勝に出るものは虎視眈々と戦略を練り、残念ながら決勝に行けなかった他の選手は和やかな昼食タイムを楽しんだ。  


 そしていよいよ決勝戦が始まる。風も少し弱まり選手たちに味方している。各選手緊張の面持ちで竿を構えて号令を待つ。泣いても笑っても最後の競技。 号令の下、各選手仕掛けを振り込む。先程のつ抜けの様にすぐ竿が上がるかと思いきやプレッシャーなのか各選手中々上がらない。暫くすると堀江、落合選手が 竿を上げ始めた。中でも堀江選手がゾーンに入ったのか続けざまに釣り始めた。小川、渡辺選手も漸くエンジンがかかったのか魚を手にし始める。続いて大場、木下選手が それを追う状況に。このまま行くのかと思っているとなんと首位争いをしていた堀江選手の動きが止まる。落合選手に引き離され始めた。するとそこに割って入ってきたのが 差し馬の増田選手。いつも通り後半に捲って来る。最後は両名のデッドヒートだ。どちらが勝つかわからない。そして終了間際に落合選手が魚を上げる。この一匹が勝敗を決める魚となった。まさに当たり千金である。

  優勝は落合選手、2位増田選手、3位tie堀江、小川両選手。(小川選手は堀江選手に3位を譲り4位に)渡辺、大場選手を振り切り見事入賞。 以上を以って2/9薔薇たなご釣り選手権大会終了した。


 残るは表彰式。新しく表彰台も新たに設営され上位入賞者が誇らしげに表彰台に昇る。見下ろす景色は如何なものか…。 これだけの強豪を倒して昇ったのだからさぞかし絶景に違いない。そして上位入賞者にインタビュー。やはり風と魚に振り回された様で上手くタイミングを掴んだ者の勝利だった様である。短時間で状況を把握し対策を考え一気に釣る。今回はダッシュ力のある方が強かった様だ。そして今回はカワハギやマルイカ釣りなどに精通している方が上位を独占していることに気が付いた。やはり揺れる船の中で風や海流などを考慮をしながら繊細なアタリを取るために竿や糸の捌きを鍛錬している方がひとつ頭が抜きんでる状況だったに違いない。色々な釣りのノウハウがやはりたなご釣りにも生きて来る様だ。釣れないながらも釣りあげる上位入賞者。だからたなご釣りは面白い!すべての釣りが集約されている!そう言っても過言ではない今日の競技会。次回開催はまだ未定ですがまたホームページ上にて発表いたします。 開催の折は皆様ご協力の程を宜しくお願い致します。


 今回もご協力いただいたメーカー、個人の方どうも有難う御座いました。新しく協賛下さった方々これからも末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。

今回ご協賛頂いた皆様

(株)オーナーばり,櫻井釣漁具(株),(株)ささめ針,(株)シマノ,SHIZUKU,淡水小物釣り工房たなきち,マルキュ―(株),二代目江戸藤,育夫工房,玉竿,赤澤様,新井様,石川様,今井様,海谷様,たつ様,田中様,増田様,渡辺様 他(以上敬称略)

日本たなご釣り倶楽部

釣りは伝承の遊びです。 現在、様々な釣りが消えています。 このたなご釣りも消えないように後世に伝えられたらと思います。