日本たなご釣り倶楽部主催の大会も3月のプレ大会を経て、漸く7月21日に第1回大会を開催する運びとなった。天候は曇り空、微風で若干蒸し暑いながら釣りには支障のない状況。集合時間近くになると続々と参加者が集まり始め、着くなり早速竿を出し試し釣りを始める方もいれば友人と談笑している方もおり、楽しみ方も様々。しかし開会式も始まり、オブザーバーの鈴木康友会長の挨拶も終わる頃には参加者の表情も引き締まり競技者の顔に変わっていった。 今回は2名の急遽欠場もあり計28名の参加者となったが予定通り、予選三回で9名、敗者復活戦のつ抜け勝負からの1名での決勝戦を競う形を取りスタートとなった。
予選1戦目は堀江、石川、大場選手が勝ち上がり決勝に駒を進めた。堀江選手は予選最多の94匹を釣り上げ流石の貫録を見せつけた。 続いて予選2戦目は平野、川岸、川嶋選手が勝ち残り、特に川嶋選手は女性ながら男性陣を押しのけての決勝入り。所属クラブでも常に猛者ぶりを発揮しており、今回も勢いを持続させての活躍となった。最後の予選3回戦は長島、増田、染谷選手の三名がプレッシャーがかかり、ナーバスになった魚を見事釣りあげて決勝へ。前回優勝者の長島選手が堂々1位通過で進出した。 敗者復活戦のつ抜け勝負では一匹差で予選4位に甘んじた牛山選手が実力を発揮し滑り込み、以上10名により決勝が競われる事となった。決勝前には華やかなレディース大会も行われ、ここでも川嶋選手が優勝。初代女王の座を勝ち獲った。そしていよいよ決勝戦。決勝に残れなかった参加者が少しでも技術を見習おうと固唾を飲み見守る中で開始された。当初横一線での釣果だったが石川選手がペースを上げ始め他を引き離し始めた。それに続く様に前回優勝の長島選手が一定のペースで淡々と釣り、虎視眈々と相手のミスを待つ作戦。堀江、牛山選手も負けじとペースが上げていく。ところが試合も中盤に差し掛かると状況が変わり始めた。各自プレッシャーかそれとも喰いが落ち始めたのかペースダウンに。そんな状況を見て取ったかここで増田選手がペースアップ。逃げを打つ石川選手に徐々に肉迫し始め、終盤ではこの両名の一騎打ち状態に。そしてタイムアップ。全ては検量に委ねられた。皆が見守る中、カウンターの音が響く。流石に決勝戦。桶に持ち込まれた魚は皆、明らかに予選より多いのが見てもわかる程で選手の技術の高さが伺われた。そして長島、石川、増田選手の三名を残すのみとなった。 先に石川選手が検量。89匹の数字が読み上げられるとどよめきが沸き起こった。続いて長島選手。83匹の数字が告げられると皆からため息が漏れたが直ぐに拍手に変わった。最後に増田選手。狙っている魚が小さい為か見た目があまり他選手と変わらない様であったが検量が始まると一変。桶の中身が中々減っていかないのである。注目の中、やがて90の数字が読み上げられ優勝が決定すると参加選手から万雷の拍手と称賛の声が響く。こうなるとどこまで数字が伸びるのか興味深々。最後の魚の検量を終え100匹のコール。さらに会場がヒートアップ。試合が終了した瞬間である。決勝に残った選手も試合が終わればノーサイド。笑顔で表彰式へ向かった。表彰式で上位の選手にインタビューすると皆、それぞれの特徴のあるコメントを頂いた。 全般的には試し釣りの状況より食いが浅かった事や直ぐに群れ状になるたなごボールへの対応で針合わせや餌の調整等の正確な判断、そして事前に練り上げたプランを完遂する為に状況に素早く対応した選手が上位入賞している事が伺えた。特に増田選手は全て仕掛けのおかげと煙に巻いていたが判断、対応力、知識、反射神経など釣りの技術に長けているのも一因と思われる。勝ちにこだわる姿勢が続けば今後も長く上位に君臨する事が予想される大会となった。
最後に参加者の方が帰った後、忘れもの等がないか見て回った際にゴミが全く落ちていなかった事が非常に嬉しく、当倶楽部が志の高い方々の集いであると再認識した次第。 次回開催も予定しているいるのでご興味のある方々は是非ご参加をお勧めしたい。志の高い方々と釣りをし、自己研鑽できる良い場所です。ではお待ち申し上げます。
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